さて、基本的なところか攻めてみましょう。
それはFXにおける基本的な勝率についてです。
FXは「上がるか下がるかの2択だから勝つ確率は50%だ」って思います?
違うだろ!!って方、さすがです。
では、なんで違うんでしょう?
では、なんで勝率50%じゃないんでしょうか?
その理由わかります?
その理由が「スプレッド」だと仰られる方、またまたスルドイ。
どんなFX業者でも新規建てと決済に価格差が設定されています。
もちろんこれがFX業者の収益源です。
この価格差を大小を議論するつもりはないのですが、このスプレッド幅が勝率に影響してきます。
しかも、この「スプレッド」の影響が結構大きいのです。
それを集計結果を元に見てみましょう。
まず勝率を集計するにあたり、条件を定めました。
勝ち負けの条件としては以下の通りです。
- 通貨はみんな大好きドル円(=USD_JPY)を使用する。
- 時間足(=ティック)は15分足を使用する。
- 利益確定は10ピップス~70ピップスとする。
- 損益確定は10ピップス~70ピップスとする。
- 売買期間は「2005/4/13 00:00:00」から「2017/4/13 23:45:00」まで。
- 毎ティックのclose価格でlongポジションとshortポジションの両ポジションを取る。
- 取ったポジションはかならず決済する(時間はかかっても価格が設定値に触れるまで待ち、価格が触れた瞬間に自動的に決済されるものとする)。
それでは集計結果をどうぞ!!
じゃん。
利確pips | ロスカットpips | Long勝率(%) | Long負率(%) | Long平均保持時間(時間) | Short勝率(%) | Short負率(%) | Short平均保持時間(時間) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 10 | 39.88 | 60.12 | 3.599 | 39.1 | 60.9 | 3.696 |
20 | 20 | 44.81 | 55.19 | 12.103 | 44.42 | 55.57 | 12.03 |
30 | 30 | 46.33 | 53.66 | 20.03 | 46.52 | 53.48 | 19.892 |
40 | 40 | 47.08 | 52.91 | 29.845 | 47.51 | 52.48 | 29.495 |
50 | 50 | 47.5 | 52.48 | 39.375 | 48.14 | 51.84 | 39.254 |
60 | 60 | 47.85 | 52.12 | 48.353 | 48.48 | 51.5 | 48.197 |
70 | 70 | 48.14 | 51.83 | 62.772 | 48.74 | 51.23 | 62.628 |
どおです?
予想通りでしたか?
利確ピップスとロスカットピップスの設定が少ないほど勝率と負率の差が大きくなっています。
利確10ピップス、ロスカット10ピップスに設定すると勝率は40%を切ってしまうんですね。つまり、利確とロスカットを10ピップスですとスプレッドの影響が非常に大きいとも言えます。
逆に利確ピップスとロスカットピップスを増やしていくと勝率が上がり負率が下がってきます。つまり、利確とロスカットの設定ピップスを増やせばスプレッドの影響が小さくなるので50%に集約していきます。
「なんだよ勝率50%切ってるんじゃ意味ねぇじゃん」と思ってる方、たしかにそうなんですけど、ここからいろいろと数値をコネくりまわして有益なネタをだしていきたいと思っておりますので、もう少々お付き合いいただけますと幸いです。
余談ですが、この勝率の差のせいでShortポジションとLongポジションをランダムに設定して売買のバックテストをすると悲惨なことになるんですよね・・・
ただ、ランダムポジションでバックテストするのはやってみると面白い結果が得られますよ。
日足ベースかつ利益確定ピップスを40ピップス以上に上げていくと数年単位でみれば収益がプラスになったりするんです。
この結果も後々発表してみると面白いかもですね。
さて、この結果から何が言えるかといいますと、世にある様々なテクニカル指標を評価する上で、この基本勝率が基軸となるということです。
このテクニカル指標がこの基本勝率よりもどれだけプラスの勝率を出せるか?がそのテクニカル指標の評価になってきます。
逆を言うと、テクニカル指標がこの基本勝率を上回れない場合は、そのテクニカル指標は使うに値しない、となります。
もうひとつ、ちょっと酷な話ですが、ご自身の勝率が先ほど挙げた基本勝利を下回っていたの場合、「何も考えずどっちかのポジションを取り続けていたほうがまだマシ」ということにもなります・・・
「オマエの判断なんぞクソの役にも立ってねぇ」って言われてるみたいで悲しいですけどね・・・orz
でも実際に統計をとってみて客観的に判断してみるとそういうことになるんです。
さて、次回以降、ここでお見せしたFXの基本勝率を使って色々と考察していきたいと思います。
(すいません、テクニカル指標の評価はもうちょっと後です・・・ごめんなさい)
次回以降もお楽しみに!!
今後とも「FXテクニカル分析の不都合な真実」をよろしくお願いいたします!!