FXテクニカル指標「MACD」の実力評価

それでは、さっそくFXのテクニカル指標の分析をしてみたいと思います。

今回のネタはみんな大好き「MACD」です。

MACDの詳細については他サイトに詳しく載っていますので、このサイトでの説明は割愛させていただきます。なお、このサイトでは以下のサイトを参考にMACDを算出しております。

マネーパートナーズ様
テクニカル分析辞典 > MACD (Moving Average Convergence Divergence)
https://www.moneypartners.co.jp/support/tech/macd.html

まず、MACDを算出するに当たってのパラメータをあらかじめお伝えしておきます。

  • 通貨はみんな大好きドル円(USD_JPY)です。
  • 15分足チャートと1時間足チャートを使用しました。
  • 計算期間は前回同様「2005/04/13~2017/3/31」です。
  • 短期EMAの期間は12を使用しました。
  • 長期EMAの期間は45を使用しました。
  • MACDシグナル線はMACD線の単純移動平均(SMA:期間は9で計算)としています。

売買シグナルは以下の4点としています。

  • 【シグナル1】MACD線がMACDシグナル線を上抜いたときに買いシグナル
  • 【シグナル2】MACD線がMACDシグナル線を下抜いたときに売りシグナル
  • 【シグナル3】MACD線が0ラインを上抜いたときに買いシグナル
  • 【シグナル4】MACD線が0ラインを下抜いたときに売りシグナル

15分足チャートでのMACD売買シグナル数は以下の通りです。

  • 【シグナル1】買いシグナル:11,922件(3.9%)
  • 【シグナル2】売りシグナル:11,931件(3.9%)
  • 【シグナル3】買いシグナル: 3,886件(1.2%)
  • 【シグナル4】売りシグナル: 3,901件(1.2%)
  • 全体のティック数:304,430件

い、意外と少ない・・・全ティック数の約4%ですか・・・シグナル数のトータルをザックリで計算すると、15分足だと一日に10回シグナルが出るかどうか、って頻度ですね・・・

気を取りなおして、1時間足チャートでのMACD売買シグナル数は以下の通りです。

  • 【シグナル1】買いシグナル:2,878件(3.7%)
  • 【シグナル2】売りシグナル:2,879件(3.7%)
  • 【シグナル3】買いシグナル: 979件(1.2%)
  • 【シグナル4】売りシグナル: 979件(1.2%)
  • 全体のティック数:77,258件

これまたこんなもんですか・・・・1時間足で計算すると一日にシグナルが2回出るかどうかって頻度です。

う~ん。意外とシグナルが出る頻度が少ない。。。

さてここからが本題です。 売買シグナルが出たティックで売買をした際の勝率はいかほどでしょうか?

じゃん

MACD勝率(チャート=15分足, 利益確定=30pips, ロスカット=30pips)
シグナル名 Long勝率 Short勝率 シグナル分類
シグナル1 46.46 46.93 買いシグナル
シグナル2 47.84 45.94 売りシグナル
シグナル3 46.68 47.04 買いシグナル
シグナル4 48.15 45.1 売りシグナル
MACD勝率(チャート=15分足, 利益確定=40pips, ロスカット=40pips)
シグナル名 Long勝率 Short勝率 シグナル分類
シグナル1 47.68 46.69 買いシグナル
シグナル2 47.3 47.07 売りシグナル
シグナル3 47.48 47.17 買いシグナル
シグナル4 48.1 46.77 売りシグナル
MACD勝率(チャート=1時間足, 利益確定=30pips, ロスカット=30pips)
シグナル名 Long勝率 Short勝率 シグナル分類
シグナル1 44.31 48.42 買いシグナル
シグナル2 49.05 44.08 売りシグナル
シグナル3 42.64 49.39 買いシグナル
シグナル4 48.21 43.62 売りシグナル
MACD勝率(チャート=1時間足, 利益確定=40pips, ロスカット=40pips)
シグナル名 Long勝率 Short勝率 シグナル分類
シグナル1 45.5 48.58 買いシグナル
シグナル2 49.37 44.79 売りシグナル
シグナル3 45.3 50.31 買いシグナル
シグナル4 50.05 43.72 売りシグナル

はぁ????

そもそも勝率50%を超えるケースが2ケースしかない。。。
全体的に基本勝率よりもほんの数%プラスになっているだけで2ケースを除いて損益分岐勝率を下回っています。
その2ケースも50.05%とか50.31%とかって・・・・

さらに致命的なのが、買いシグナルなのにLong勝率(買い建て)よりもShort勝率(売り立て)のほうが勝率が高いとか、売りシグナルなのにLong勝率のほうが高いとか・・・そもそもシグナルとして機能してないじゃん!!

駄目だこりゃ!!

ちょっと自分の計算処理を見直しみましたが、間違いはない・・・
ちゃんと処理通りの箇所でシグナルが出てます。

正直ないわー

「ダマシが多い」とかそういうレベルじゃないですよこれ。
使える、使えない以前の問題で売買シグナルとしての体を成していません。

どうにかダマシを目視で排除していけば多少は勝率上がるんでしょうけど、じゃぁ今の勝率が格段に向上するとはとても思えないです。

っということで、統計的にテクニカル指標「MACD」を評価してみた結果・・・・

テクニカル指標「MACD」はまったく使えない!!

という結果になりました。

今回は以上です。
ちょっとショッキングな結果になりましたね。
皆さんはどのようにお感じでしょうか?
ご批判、ご指摘ございましたらどんどんお寄せください。

次回以降もお楽しみに!!
今後とも「FXテクニカル分析の不都合な真実」をよろしくお願いいたします!!

「FXテクニカル指標「MACD」の実力評価」への2件のフィードバック

  1. はじめまして。 突然ですが、質問があります。 例えば、買いシグナルが出たら買い。あとは利益確定pipisかロスカットpipisまでは、反対サインが出てもそのままという検証でしょうか?
  2. コメントありがとうございます。

    はい。その通りです。ポジションを取った後は利確かロスカットで決済する、というロジックで計算しています。

    あ・・・
    売りシグナルで決済すれば勝率が上がるかもしれないですね・・・
    ちょっと時間のあるときに再処理かけてみます。
    といっても「売りシグナルで決済」のロジックを今から組み込むのがちょいと面倒なので、もうすこし後になるかもですが・・・・

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