「おまえ釣り針大木杉」の言い訳と本音と開き直りと。

Twitterでいくつかリアクションを頂きましてとても感謝しております。

正直なところこんな釣り針大き杉なネタブログなどだれも興味を示していただけないかなと思っていたのでとてもうれしい限りです。

Twitterでは文字数の関係でちゃんとご返信できないだろうとの思いでブログに書かせていただきました。

まず、

について。

(その前に @hitty1963 さん、いつも丁寧なご指摘ありがとうございます。毎度勉強させていただいております。今後とも遠慮なくバシバシとツっこんでくだいませ。)

たしかにMACDそのものが「使えない」と言い切ってしまうのは少し乱暴ですよね。じつはこれ、怒られちゃうのを覚悟して書いているところもあります。

というのは「これは扱いが難しいプロの道具であり、素人がおいそれと使って良いものではない」という点を誇張したかったんです。

@hitty1963さんが、端的に僕の言いたいことを言い当ててくださいました。

おそらく全てのインジケータやオシレータに関して“使えない”という結果的になると思います。

そうなんです。おそらくほとんどのテクニカル指標がそのままでは「使えない」のです。

たとえば、プロの料理人が使う調味料(や食材)って、素人が安易に使ってしまうと逆に料理をマズくしてしまうことがよくあります。僕らのような料理の素人が求めているのは、プロが使うようなキワドイ調味料ではなく、どんな時にでも、どんな料理にでも使って、それなりに美味しくなる、たとえるなら「あじ塩」のような調味料なんです。適当に料理をする料理素人にとってはプロの調味料は使ってはいけない調味料です。でもプロ用調味料はプロがキッチリとした技術の中で使えば素晴らしい味にしてくれるものですよね。その調味料を買うときには「プロの味になる素晴らしい調味料!!」と広告されていることでしょう。けっして「料理素人は使うな」とは書いていません。それを見た料理素人は「プロが使っているなら良いもののはずだ、使ってみよう」となります。調味料ならそれでもかまいません。夕食のおかずが一品マズくなるだけです。でもFXでは素人が使ってはいけないプロの道具を使えば確実に金銭的な損害がでます。最悪な場合「使ってはいけない」をしらず「良いもののハズだ」を信じて使い続けると、損害が膨らみすぎてFXの世界から退場せざろうえない状況にまでなります(素人には「使ってはいけない」すら判断ができないのです)。つまりそれが過去の私です。

# たとえ話を「包丁」にしようかと思ったのですが、プロ用包丁ってメンテが難しいだけでシロウトがつかってもそれなりに切れるからボツだなぁと。。
# 本業でよく使う「Adobe Photoshop」(画像処理のデファクトスタンダードソフトウェア)にしようかなぁとも思ったのですが、そもそもPhotoshop知らんヒトもおおいかなぁとおもってボツに。

さらに言えば「これは上級者用で素人がつかっても駄目だ」と言われたところで、素人が自分はいまどのくらいの技量があるのか、どういう基準で判断するのでしょうか?ビギナーズラックで少し利益がでたら「おれは利益を出している!!素人から脱したぜ!!もう上級者だ!!」って勘違いしません?ハイ、僕はしました。

そういう輩には「このテクニカル指標は使えない!!だから使うな!!つかったら損をする確率が非常に高い!!」と客観的な数値データで証拠を突き付けて言い放ったほうが当人は幸せになる気がしたのです。つまり過去の自分にそう言いたかったです。

もっと勉強したほうがいい。
損をして学んでいくんだ。

たしかに正論です。
その通りだと思います。
でも負けないくらいの知識をつける前に一体どれだけの損害を出せばよいのでしょう?
正直なところ、そのリスクが軽んじられているように思えてなりません。

もう一方。@takashipyo さんからも素晴らしい一言を頂戴したのでご紹介させてください

( @takashipyo さんもいつもありがとうございます!!)

それは・・・

確実に負けるやり方が一つわかるというだけですが。

これなんです!!

なにも考えずにテクニカル指標を信じて売買してしまうと「確実に負ける」んです!!
勝てる方法はご提示できませんが「確実に負けること」を統計的な数値のエビデンスを用いてご説明してみたのです。

これは僕のようなFX素人には非常に有益な情報だと自負しています。

加えて、@takashipyoさんのような機転が利く方でしたらピンときたことでしょう。

「自分が考えている売買方法では勝てない、もっと勉強するか、違う方法を探さないと」と。

(すいません @takashipyo さんと僕を同レベルであるかのように語ってしまいましたが、 @takashipyo さんは間違いなく知識量も売買経験も僕よりも格段に豊富な方です。。。)

だらだらと書きなぐってしまいましたが、有益な内容をお伝えしたい、という思いは変わりません。
ただそれは@hitty1963さんや、@takashipyoさんのような巧者にとってみたら、釣り針大木杉のバズ記事以外のなにものでもない、と見えてしまうかもしれません。
それでも、目ざわりなことを承知で今後も飛ばしていきたいと思います!!
どうぞ皆さんバシバシお叱りのリアクションお待ちしております!!
そして皆さんが幸せになりますように・・・

FXテクニカル指標「MACD」の実力評価

それでは、さっそくFXのテクニカル指標の分析をしてみたいと思います。

今回のネタはみんな大好き「MACD」です。

MACDの詳細については他サイトに詳しく載っていますので、このサイトでの説明は割愛させていただきます。なお、このサイトでは以下のサイトを参考にMACDを算出しております。

マネーパートナーズ様
テクニカル分析辞典 > MACD (Moving Average Convergence Divergence)
https://www.moneypartners.co.jp/support/tech/macd.html

まず、MACDを算出するに当たってのパラメータをあらかじめお伝えしておきます。

  • 通貨はみんな大好きドル円(USD_JPY)です。
  • 15分足チャートと1時間足チャートを使用しました。
  • 計算期間は前回同様「2005/04/13~2017/3/31」です。
  • 短期EMAの期間は12を使用しました。
  • 長期EMAの期間は45を使用しました。
  • MACDシグナル線はMACD線の単純移動平均(SMA:期間は9で計算)としています。

売買シグナルは以下の4点としています。

  • 【シグナル1】MACD線がMACDシグナル線を上抜いたときに買いシグナル
  • 【シグナル2】MACD線がMACDシグナル線を下抜いたときに売りシグナル
  • 【シグナル3】MACD線が0ラインを上抜いたときに買いシグナル
  • 【シグナル4】MACD線が0ラインを下抜いたときに売りシグナル

15分足チャートでのMACD売買シグナル数は以下の通りです。

  • 【シグナル1】買いシグナル:11,922件(3.9%)
  • 【シグナル2】売りシグナル:11,931件(3.9%)
  • 【シグナル3】買いシグナル: 3,886件(1.2%)
  • 【シグナル4】売りシグナル: 3,901件(1.2%)
  • 全体のティック数:304,430件

い、意外と少ない・・・全ティック数の約4%ですか・・・シグナル数のトータルをザックリで計算すると、15分足だと一日に10回シグナルが出るかどうか、って頻度ですね・・・

気を取りなおして、1時間足チャートでのMACD売買シグナル数は以下の通りです。

  • 【シグナル1】買いシグナル:2,878件(3.7%)
  • 【シグナル2】売りシグナル:2,879件(3.7%)
  • 【シグナル3】買いシグナル: 979件(1.2%)
  • 【シグナル4】売りシグナル: 979件(1.2%)
  • 全体のティック数:77,258件

これまたこんなもんですか・・・・1時間足で計算すると一日にシグナルが2回出るかどうかって頻度です。

う~ん。意外とシグナルが出る頻度が少ない。。。

さてここからが本題です。 売買シグナルが出たティックで売買をした際の勝率はいかほどでしょうか?

じゃん

MACD勝率(チャート=15分足, 利益確定=30pips, ロスカット=30pips)
シグナル名 Long勝率 Short勝率 シグナル分類
シグナル1 46.46 46.93 買いシグナル
シグナル2 47.84 45.94 売りシグナル
シグナル3 46.68 47.04 買いシグナル
シグナル4 48.15 45.1 売りシグナル
MACD勝率(チャート=15分足, 利益確定=40pips, ロスカット=40pips)
シグナル名 Long勝率 Short勝率 シグナル分類
シグナル1 47.68 46.69 買いシグナル
シグナル2 47.3 47.07 売りシグナル
シグナル3 47.48 47.17 買いシグナル
シグナル4 48.1 46.77 売りシグナル
MACD勝率(チャート=1時間足, 利益確定=30pips, ロスカット=30pips)
シグナル名 Long勝率 Short勝率 シグナル分類
シグナル1 44.31 48.42 買いシグナル
シグナル2 49.05 44.08 売りシグナル
シグナル3 42.64 49.39 買いシグナル
シグナル4 48.21 43.62 売りシグナル
MACD勝率(チャート=1時間足, 利益確定=40pips, ロスカット=40pips)
シグナル名 Long勝率 Short勝率 シグナル分類
シグナル1 45.5 48.58 買いシグナル
シグナル2 49.37 44.79 売りシグナル
シグナル3 45.3 50.31 買いシグナル
シグナル4 50.05 43.72 売りシグナル

はぁ????

そもそも勝率50%を超えるケースが2ケースしかない。。。
全体的に基本勝率よりもほんの数%プラスになっているだけで2ケースを除いて損益分岐勝率を下回っています。
その2ケースも50.05%とか50.31%とかって・・・・

さらに致命的なのが、買いシグナルなのにLong勝率(買い建て)よりもShort勝率(売り立て)のほうが勝率が高いとか、売りシグナルなのにLong勝率のほうが高いとか・・・そもそもシグナルとして機能してないじゃん!!

駄目だこりゃ!!

ちょっと自分の計算処理を見直しみましたが、間違いはない・・・
ちゃんと処理通りの箇所でシグナルが出てます。

正直ないわー

「ダマシが多い」とかそういうレベルじゃないですよこれ。
使える、使えない以前の問題で売買シグナルとしての体を成していません。

どうにかダマシを目視で排除していけば多少は勝率上がるんでしょうけど、じゃぁ今の勝率が格段に向上するとはとても思えないです。

っということで、統計的にテクニカル指標「MACD」を評価してみた結果・・・・

テクニカル指標「MACD」はまったく使えない!!

という結果になりました。

今回は以上です。
ちょっとショッキングな結果になりましたね。
皆さんはどのようにお感じでしょうか?
ご批判、ご指摘ございましたらどんどんお寄せください。

次回以降もお楽しみに!!
今後とも「FXテクニカル分析の不都合な真実」をよろしくお願いいたします!!

FX相場の方向性を基本勝率で見てみた ~勝てる相場とはなにか?~


さて、今回は「勝率」について話題を変えていきます。話題の主旨は「どうすれば利益のでる勝率がでるのか」についてです。ただし、「はじめに」でもお伝えした通り、安易に勝てる方法はありません。そもそもそんな方法や売買ルールが安易に構築できるのでしたら皆さん負けていないわけで。。。。

気をとりなおして・・・

前回まで、過去のFX相場においてLongポジション(買い建て)とShortポジション(売り建て)の両方を毎ティック取った場合、双方のポジションでどのくらいの勝率があるのか?についてお話ししてきました。

おさらいの為、改めてこの基本勝率をご提示しておきます。

LongポジションとShortポジションの基本勝率

FXはハイorローだから勝率は50%? ~その1:FXの基本勝率~」でもお話しした通り、そもそもこの勝率ではお話しになりません。つまり利益確定とロスカットを同値にしているので、損益分岐点である勝率は50%です。50%以上の勝率がないとどんなに頑張ってもマイナス決算です。これでは意味がない。

一方、この集計結果で気になるのは、ここで集計した勝率は「2005/4/13 00:00:00」から「2017/4/13 23:45:00」までの12年間であるという事です。相場って方向性がありますのよね?その時期の世界の経済的な要因(ファンダメンタルズ)によって相場は方向性をもちます。つまり、集計期間を絞れば、ファンダメンタルズにより基本勝率も変動してしかるべきです。

ということで、手始めに「2016/4/1 00:00:00」から「2017/4/1 00:00:00」までの1年間について、毎月の勝率をだしてみました。

なお、今回は前回までの「30~40ピップスの間で利確・ロスカットを設定するのが一番おいしい」という結果を受けて、利益確定とロスカットの設定値を30ピップスとして集計してみました。

それでは、どうぞ。

2016/4~2017/3までの勝率遷移(利確・ロス30ピップス設定)

いかがですか?

やっぱりという感じで、かなり変動が激しいことが見て取れます。 少し光明を感じられるのは、12ヵ月中の9ヶ月でLongポジションもしくはShortポジションのいずれかの勝率が50%を超えることがある、という事実です。この「勝率50%を超えるポジション」をいかにキャッチするか、そこに勝機がありそうです。

じゃぁ、その「勝率50%を超えるポジション」をどうやったらみつかるのさ?

・・・・・それがすぐにわかれば苦労してない!!!

スンマセン・・・・・でも序盤にお話しした通り、安易に勝てる方法なんてないのです。あったらみんなこんなに損してないですし、数あるテクニカル指標も開発すらされなかったでしょうしね。

ってことで今回はここまで。

課題である「勝率50%を超えるポジション」をどうやったら見分けられるか?については、現在様々な検証を行っています。じつはすこし効果的な方法が見えだしています。結果が出次第お伝えいたしますのでご期待ください。

次回以降もお楽しみに!!
今後とも「FXテクニカル分析の不都合な真実」をよろしくお願いいたします!!

FXはハイorローだから勝率は50%? ~その4:利確とロスカットのピップス差はイカほどに?~


さて、前回まで「勝率」と「売買数」についていろいろと考察を重ねてきました。FXにおいて利益確定ピップスとロスカットピップスの設定について、一番おいしいところはどこなのか?前回までの結論で言えば利確・ロスカットの設定ピップスは30~40ピップスあたりが一番おいしいという結論に達しました。

ここまできてもう一つ疑問に思うことがあります。利益確定とロスカットピップスは同じでよいのか?

そうです、大勢の方々が盲目的に「利益確定ピップス>ロスカットピップス」にされているのではないでしょうか?

では、利益確定ピップスとロスカットピップスはどの程度の差に設定すればよいのでしょう?

これまた利益確定ピップスとロスカットピップスに差をつけて勝率の集計をとってみましたのでご覧ください。

利益確定とロスカットのピップス差による勝率遷移 ~30ピップス付近~
利確ピップス(pips) ロスカットピップス(pips) ピップス差(pips) Long勝率(%) Short勝率(%) 損益分岐勝率(%) Long平均売買数(回/年間) Short平均売買数(回/年間)
30 30 0 46.33 46.52 50 431.3 434.3
30 25 5 41.68 41.71 45.45 487.6 492.2
30 20 10 36.05 36.09 40 571.4 577.8
30 15 15 29.04 29.3 33.33 726.8 729.1
利益確定とロスカットのピップス差による勝率遷移 ~40ピップス付近~
利確ピップス(pips) ロスカットピップス(pips) ピップス差(pips) Long勝率(%) Short勝率(%) 損益分岐勝率(%) Long平均売買数(回/年間) Short平均売買数(回/年間)
40 40 0 47.08 47.51 50 289.5 292.9
40 35 5 43.52 44.07 46.67 321.2 322.8
40 30 10 39.71 40.12 42.86 359.7 358.9
40 25 15 35.37 35.6 38.46 408.7 409.8

今回は前回の結果「30~40ピップス当たりが一番おいしい」という結果を受けて、利確30ピップスでロスカットを5ピップス刻みで下げて言った場合と、利確40ピップスでロスカットを5ピップス刻みで下げて言った場合の勝率をだしてみました。また、利益確定ピップスとロスカットピップスに差をつけるということは損益分岐点となる勝率(これ以上の勝率を上げないと損をする勝率)がかわってきます。これも同じ表にだしてみました。

さて、さらにわかりやすくするために、グラフもつくってみます。

利確・ロスカット設定ピップス「30pips付近」の損益分岐遷移

利確・ロスカット設定ピップス「40pips付近」の損益分岐遷移

いかがでしょうか?

相変わらず目的の勝率には届いていませんが、グラフを見る限り「どんな差をつけてもあまりかわらない」ことがわかります。では、なんでもいいのか?っといいますとそうではないんですね。

それは前回と同じ話題であるポジションの「平均保持期間」が異なってくるからです。

もちろんのこと、ロスカットピップスを下げていけば「平均保持期間」が小さくなってきます。つまり「売買数」を増やすことができるのです(前回お話させていただいた通り、売買数が増えればリスクヘッジの効果が増してきます)。統計上の数値をみると、利益確定とロスカットのピップス設定を0~15まで変化させると売買数は2倍弱まで増加します。このことから、ロスカットピップスは常識的な範囲で小さくする(利益確定とロスカットの設定ピップスを大きくとる)ことが良策といえそうです。ただしあまりロスカットピップスを低く設定しすぎるとスプレッドの影響を受けてしまいますので、あくまで常識的な範囲で設定したほうがよさそうです。

さて、いかがでしたでしょうか?

闇雲に設定していた利益確定とロスカットの値を統計情報に基づいた設定値に見直してみませんか?
ただ、これによって勝率が上がる、というわけではありません。見てお分かりの通り、今までにご提示した勝率では絶対に利益はでません。

ここまでご紹介してきた内容は「転がっているチャンスを美味しく頂く」ためのお膳立てにすぎません。言ってみれば、大きく負けないための基本的なスタンス「防御の型」をご提示したにすぎないのです。これを踏まえた上の「勝つ確率が高くなる戦略」を考えなければなりません。ここからがやっとスタートラインなのです。

次回からは「どうすれば勝率は上がるのか?」について考察していきたいと思います。
今後とも「FXテクニカル分析の不都合な真実」をよろしくお願いいたします!!

FXはハイorローだから勝率は50%? ~その3:売買数を稼げ!!~


前々回、前回とロングポジション(買建て)とショートポジション(売建て)の勝率を集計してみました。そこから利確とロスカットの設定ピップスによる基本的な勝率をご紹介してきました。

もういちどおさらいの為に、前回まで使用してきた勝率表を貼っておきます。

LongポジションとShortポジションの基本勝率
利確pips ロスカットpips Long勝率(%) Long負率(%) Long平均保持時間(時間) Short勝率(%) Short負率(%) Short平均保持時間(時間)
10 10 39.88 60.12 3.599 39.1 60.9 3.696
20 20 44.81 55.19 12.103 44.42 55.57 12.03
30 30 46.33 53.66 20.03 46.52 53.48 19.892
40 40 47.08 52.91 29.845 47.51 52.48 29.495
50 50 47.5 52.48 39.375 48.14 51.84 39.254
60 60 47.85 52.12 48.353 48.48 51.5 48.197
70 70 48.14 51.83 62.772 48.74 51.23 62.628

これがFXをやるにおける基本的な勝率になります。前回まではここでご紹介した勝率が基軸になります、とお話させていただきました。

じつは、もう一つ注目したいものがあるのです。それはポジションの「平均保持時間」なんです。

私がFXにおいて重要視していることは「勝率」と「売買数」です。利益幅ではないんですね。

FXにおける基本的な戦術は2つあると思っています。

1つ目は「勝率が低くとも一つの売買で利益を大きくとって稼ぐ方法」
2つ目は「利益は薄くとも勝率を上げて小さな利益を積み重ねる方法」

です。

前者は相場の予測が必須となります。トレードを仕事にしているようなプロでしたら市場を分析するだけの知識も技術もあるでしょう。でも僕たちは素人です。知識も技術もない。情報はあったとしても何を見て判断すればよいのかわからない。そこまでの知識と技術があるプロですら勝てないことがあるのですから、正直なところ僕のような素人に相場の未来を予測するなんて到底無理です。そこで僕のような素人が注目すべきは「勝率」「売買数」だと考えています。勝率が優れた方法を用いて、何も考えずひたすら売買を繰り返し、勝ち負けにこだわらず売買数を増やしていきます。それにより「利益は薄くとも勝率を上げて小さな利益を積み重ねる」ことを目指すのです。

「勝率が優れた方法」については追々考えていくとして、問題は売買数です。

なぜ売買数がとても大事かというと、薄利を積み上げるために必要という理由もありますが、それ以上に、売買数が多ければ多いほどリスクがヘッジされるからです。例えると、理想勝率を50%とした場合、10戦して6勝すればよいですが4勝しかできなかった場合は勝率は40%にまで下がります。1敗すると10%も勝率を下げてしまいます。つまり1敗あたりリスクが非常に大きいのです。一方で、100戦した場合、45勝しかできなかった場合の勝率は45%です。1敗しても1%しか下がりません。売買数を10倍に増やすことで、1敗あたりのリスクが1/10までさがります。このため「利益は薄くとも勝率を上げて利益を積み重ねる方法」という戦略をとる場合、売買数を増やすことが絶対条件になります。

そこで注目すべきは「平均保持時間」なんです。

利確、ロスカットを70ピップスにしているケースを見ると決済までに要する時間は平均で62.772時間となっており、決済までに約2.5日を要していることになります。つまり、このケースで売買数を単純計算すると、年間で、365日 / 2.5日 = 約146売買 できる計算になります。月ベースだと、30日 / 2.5日 = 約12売買 となります。

この売買数の詳細を表にしてみましょう。

設定ピップスによる売買回数の比較
利確ピップス ロスカットピップス Long勝率(%) Short勝率(%) Long売買数(回/年間) Short売買数(回/年間) Long売買数(回/月間) Short売買数(回/月間)
10 10 39.88 39.1 2400.7 2337.4 200.1 194.8
20 20 44.81 44.42 713.9 718.2 59.5 59.9
30 30 46.33 46.52 431.3 434.3 35.9 36.2
40 40 47.08 47.51 289.5 292.9 24.1 24.4
50 50 47.5 48.14 219.4 220.1 18.3 18.3
60 60 47.85 48.48 178.7 179.3 14.9 14.9
70 70 48.14 48.74 137.6 138 11.5 11.5

この表からわかることは、売買数を稼ごうと設定ピップスを下げれば勝率が下がります。逆に設定ピップスを上げれば勝率は上がりますが、売買数は稼げません(=リスクが増えます)。

さて、例のごとく、この変化をわかりやすくするためにグラフを作ってみます。

利確・ロスカット設定ピップスごとの売買数比較

勝率比較グラフのようにきれいな二次曲線になっています(というか対数曲線に近いですね)。

このグラフから見て取れるのは、売買数を稼ぐという観点からみると、利確・ロスカット設定を30ピップス以上にしても得られる結果はそれほど増えません。つまり、30ピップス以上にしても失うデメリットに比べて得られるメリットが少ないと言えそうです。

この結果は、前回の「FXはハイorローだから勝率は50%? ~その2~」でご紹介した「設定ピップスは30~40ピップスが一番おいしそう」という結論とも合致してきます。

さて、あなたはこの結果から何を導き出しますか?

次回は、「利確・ロスカット設定ピップス」についてもう少し深く掘り下げて見ようと思います。
お楽しみに!!

今後とも「FXテクニカル分析の不都合な真実」をよろしくお願いいたします!!

FXはハイorローだから勝率は50%? ~その2:美味しい利確・ロスカット待ちは?~


前回、FXにおける基本的な勝率とスプレッドの影響についてザックリとご紹介いたしました。

さて、今回は利益確定とロスカットのピップス設定によって基本勝率が変化していくことに注目して、利益確定とロスカットの設定を実際にどのくらいにするが「一番おいしい」のか、そのへんのお話しをしていきたいと思います。

まず、前回のおさらいで基本的な勝率の表を貼っておきます。

LongポジションとShortポジションの基本勝率
利確pips ロスカットpips Long勝率(%) Long負率(%) Long平均保持時間(時間) Short勝率(%) Short負率(%) Short平均保持時間(時間)
10 10 39.88 60.12 3.599 39.1 60.9 3.696
20 20 44.81 55.19 12.103 44.42 55.57 12.03
30 30 46.33 53.66 20.03 46.52 53.48 19.892
40 40 47.08 52.91 29.845 47.51 52.48 29.495
50 50 47.5 52.48 39.375 48.14 51.84 39.254
60 60 47.85 52.12 48.353 48.48 51.5 48.197
70 70 48.14 51.83 62.772 48.74 51.23 62.628

この表をだけをみても、利確とロスカットに設定するピップスによって勝率がどの程度変化しているのかお分かりになるかとは思いますが、もっとわかりやすくするためにグラフを作成してみます。

LongポジションとShortポジションの基本勝率遷移

いかがですか?

10ピップス~30ピップスまでの勝率上昇具合が非常に大きく、40ピップスあたりから緩やかになっています。

このグラフから言えることは、「勝率」という観点に限って言えば、利益確定とロスカットを40ピップス以上に設定しても得られる恩恵は少ない、ということがいえるかと思います。

次回にくわしくお話ししますが、勝率があがる(50%に近くなる)からといって利確・ロスカット設定ピップスを高くとればいいかというと、そういうわけでもないんです。設定ピップスを高くとればそれだけリスクがダイレクトに結果に反映されてしまいます。したがってある程度の勝率を確保しつつ、できるだけ設定ピップスをは低く設定する、のが良策です。

個人的な見解をお話しすると、30~40ピップスの間で利確・ロスカット設定ピップスを設定されるのが「一番おいしい」と思っています。

次回からは、30~40ピップスの間で利確・ロスカットを設定するのが「一番おいしい」について、検証していきたいと思います。

次回もお楽しみに!!
今後とも「FXテクニカル分析の不都合な真実」をよろしくお願いいたします!!

FXはハイorローだから勝率は50%? ~その1:FXの基本勝率~


さて、基本的なところか攻めてみましょう。
それはFXにおける基本的な勝率についてです。

FXは「上がるか下がるかの2択だから勝つ確率は50%だ」って思います?
違うだろ!!って方、さすがです。
では、なんで違うんでしょう?
では、なんで勝率50%じゃないんでしょうか?
その理由わかります?
その理由が「スプレッド」だと仰られる方、またまたスルドイ。

どんなFX業者でも新規建てと決済に価格差が設定されています。
もちろんこれがFX業者の収益源です。
この価格差を大小を議論するつもりはないのですが、このスプレッド幅が勝率に影響してきます。
しかも、この「スプレッド」の影響が結構大きいのです。
それを集計結果を元に見てみましょう。

まず勝率を集計するにあたり、条件を定めました。
勝ち負けの条件としては以下の通りです。

  • 通貨はみんな大好きドル円(=USD_JPY)を使用する。
  • 時間足(=ティック)は15分足を使用する。
  • 利益確定は10ピップス~70ピップスとする。
  • 損益確定は10ピップス~70ピップスとする。
  • 売買期間は「2005/4/13 00:00:00」から「2017/4/13 23:45:00」まで。
  • 毎ティックのclose価格でlongポジションとshortポジションの両ポジションを取る。
  • 取ったポジションはかならず決済する(時間はかかっても価格が設定値に触れるまで待ち、価格が触れた瞬間に自動的に決済されるものとする)。

それでは集計結果をどうぞ!!
じゃん。

LongポジションとShortポジションの基本勝率
利確pips ロスカットpips Long勝率(%) Long負率(%) Long平均保持時間(時間) Short勝率(%) Short負率(%) Short平均保持時間(時間)
10 10 39.88 60.12 3.599 39.1 60.9 3.696
20 20 44.81 55.19 12.103 44.42 55.57 12.03
30 30 46.33 53.66 20.03 46.52 53.48 19.892
40 40 47.08 52.91 29.845 47.51 52.48 29.495
50 50 47.5 52.48 39.375 48.14 51.84 39.254
60 60 47.85 52.12 48.353 48.48 51.5 48.197
70 70 48.14 51.83 62.772 48.74 51.23 62.628

どおです?
予想通りでしたか?
利確ピップスとロスカットピップスの設定が少ないほど勝率と負率の差が大きくなっています。
利確10ピップス、ロスカット10ピップスに設定すると勝率は40%を切ってしまうんですね。つまり、利確とロスカットを10ピップスですとスプレッドの影響が非常に大きいとも言えます。
逆に利確ピップスとロスカットピップスを増やしていくと勝率が上がり負率が下がってきます。つまり、利確とロスカットの設定ピップスを増やせばスプレッドの影響が小さくなるので50%に集約していきます。

「なんだよ勝率50%切ってるんじゃ意味ねぇじゃん」と思ってる方、たしかにそうなんですけど、ここからいろいろと数値をコネくりまわして有益なネタをだしていきたいと思っておりますので、もう少々お付き合いいただけますと幸いです。

余談ですが、この勝率の差のせいでShortポジションとLongポジションをランダムに設定して売買のバックテストをすると悲惨なことになるんですよね・・・
ただ、ランダムポジションでバックテストするのはやってみると面白い結果が得られますよ。
日足ベースかつ利益確定ピップスを40ピップス以上に上げていくと数年単位でみれば収益がプラスになったりするんです。
この結果も後々発表してみると面白いかもですね。

さて、この結果から何が言えるかといいますと、世にある様々なテクニカル指標を評価する上で、この基本勝率が基軸となるということです。
このテクニカル指標がこの基本勝率よりもどれだけプラスの勝率を出せるか?がそのテクニカル指標の評価になってきます。
逆を言うと、テクニカル指標がこの基本勝率を上回れない場合は、そのテクニカル指標は使うに値しない、となります。

もうひとつ、ちょっと酷な話ですが、ご自身の勝率が先ほど挙げた基本勝利を下回っていたの場合、「何も考えずどっちかのポジションを取り続けていたほうがまだマシ」ということにもなります・・・
「オマエの判断なんぞクソの役にも立ってねぇ」って言われてるみたいで悲しいですけどね・・・orz
でも実際に統計をとってみて客観的に判断してみるとそういうことになるんです。

さて、次回以降、ここでお見せしたFXの基本勝率を使って色々と考察していきたいと思います。
(すいません、テクニカル指標の評価はもうちょっと後です・・・ごめんなさい)
次回以降もお楽しみに!!
今後とも「FXテクニカル分析の不都合な真実」をよろしくお願いいたします!!

はじめに

FXやってます?
たぶんこのサイトを見ているということは少なからずFXに興味は持っている方なんだと思っています。
このサイトはFXに興味がある方向けに書いています。
お楽しみいただけましたら幸いです。

このサイトでは、FXやってらっしゃる方ならば必ず興味があるはずのテクニカル分析について、ちょっと興味深いお話しをさせてもらおうと思っています。
興味深いお話しとは・・・主に「そのテクニカル分析は勝てるの?」ってとこです。
興味あるでしょ?
誰しもFXで勝ちたいと思っているはず。
でもね、ちょっとお断りしておかなければならないことがあります。
このサイトでは「勝てる方法」についてお話はしません。
ぶっちゃけて言えば、そんな方法あったら僕がしりたい(笑)
では何をお話しするのかというと「あなたの使ってるテクニカル分析の本来の性能はこんなものなんですよ」というのを客観的に計ってしてしまおう、ってわけなのです。

なにを書いていくのか少し小難しく言ってしまえば、FXの「テクニカル指標についての信頼性」をお話ししていこうかと思っています。
信頼性ってなによ?
僕の考える信頼性ってつまり勝率なんです。
つまり10回取引をして4勝6敗だったら勝率40%です。
言い換えると、数あるテクニカル指標の勝率を客観的にあらわにしてしまおうと、そんな感じです。

実は僕はFXに関してはド素人同然です。
以前にFXに手を出していた時期はありますが、大損して半ば強制的に撤退状態でした。
知識としては、いくつかのテクニカル系の本を読んだ程度です。
加えて、ファンダメンタルについても「アメリカの雇用統計が重要なのね、ところで雇用統計ってなに?」ってレベルです。
取引もほとんどドル円でちょっとオーストラリアドルにも手を出してみた程度。
そんなFXの知識が乏しい人間がテクニカルの事を語れるのか?
じつは、僕の本業の技術を使ってみたら、面白い結果がでたのです。

ぼくの本業はITエンジニアです。
本業ではデータベースを使う仕事が多いのですが、数値処理をさせる仕組み作りを得意としています。
そこで、2005年~2017年までのチャートデータをすべて取得して、それをベースにテクニカル指標を計算してみました。
それを集計してみると、いろいろと面白いデータが出てきたのです。
FXはカジった程度ですが、素人が素人なりに疑問に思ったことを集計してみたら面白くなってきた、というのがこのサイトを書いている動機です。

どうぞ楽しんでいってください!!